人の暮らしや まちの未来を見据え 計画を立てる。
鈴木先生の専門分野は「土木計画学」。公共交通や都市計画から交通安全、福祉課題の解決まで、さまざまな分野にわたって人々の暮らしや未来を見据えた計画について研究しています。その研究は調査の段階から実社会と密接につながり、結果が社会に反映されることでより良い未来を創ります。そこに研究の意義と面白さがあると先生は話します。
すべての人がより幸せに生きるには、を考える。
——先生の研究について、詳しく教えてください。
土木計画学という分野で研究をしています。計画学と聞いてもピンとこないかもしれませんが、もしも、私たちの社会でインフラ整備などのハード対策や、生活をより良くするためのソフト対策を一切しなかった場合、どのような未来が待っていると思いますか? きっと、悲惨な未来が訪れるでしょう。何もしないよりも、何かをした方がいい。計画学とは、その何かを考える学問だと思っています。
土木の計画というと道路とか橋やダム、河川を思い浮かべる人が多いかもしれません。私が扱うのは、特に都市と交通です。例えば公共交通だとバスや鉄道をどう維持するか。都市の分野では、人が少ない地域で都市機能を維持するには、どういう道路ネットワークが必要か、建物の配置はどうすればいいのかといった計画をしています。
また交通安全の計画では、交通事故で死亡する子どもを減らすにはどうするか、福祉面での計画では高齢者や子どもがより幸せに生きるためには、どういう政策や施設が必要か、そういった計画もしています。道路や橋と同じように、人が暮らしていくうえでこういったインフラやソフト対策をどうするのかを考えるのが私の研究分野です。

——研究はどういった手法で行っているのですか。
人の意識と行動について分析するのですが、アンケート調査やインタビュー調査など、都市と交通に対する居住者・利用者の心理的な分析や、携帯電話の位置情報、ICカード履歴などのビッグデータ解析も行っています。自治体や交通機関と一緒に調査をすることも多いですね。最近は分析手法としてAIなども活用しています。
——私たちの行動がデータとなり、研究にも活用されているのですね。
そうかもしれませんね。例えば、都市の構造によって人の動きは変わりますが、地方部では駅前の衰退やシャッター街の問題が顕在化していますよね。日本の人口は減少していますし、外出率も昔と比べて低下しているんです。街に出る人が減っている中で、いかにその人たちに回遊してもらうかというのは、都市の持続性に関わる問題です。現状の人の動きを解析して未来を予測すれば、対策を取ることができます。これは都市を考える上でとても重要なことなのです。

答えのないものを探す旅へ。
——北海学園大学で社会環境工学を学ぶ魅力を教えてください。
本学の社会環境工学科では、人の暮らし(インフラ)を支える多くのことが学べます。橋や地盤、河川、コンクリート、環境、交通、都市、道路など私たちが生きていくうえで不可欠なことに幅広く関わる学科です。また北海道の暮らしに根差した勉強や研究を行っているのも特徴的で、数多くの卒業生を北海道の建設分野に輩出しています。卒業生たちが北海道の暮らしを支えていると言っても過言ではありません。
卒業と同時にJABEEに認定されることも大きな魅力です。JABEEとは、就職後に技術士のもとで働く際に技術士補の資格をもらえる制度で、技術士の試験を受ける場合に1次試験が免除されます。技術士は、技術分野において最高峰の資格。JABEEに認定されていることは、社会環境工学科が一定基準の教育を行っていることの証しです。ぜひ活かして欲しいですね。

——これから入学してくる学生が、情熱を注げる研究テーマを見つけるためには、どのように日々を過ごすといいのでしょうか。
学生には授業でも伝えているのですが、この分野にはこれだという答えがないんです。もしかしたら、もっといい方法があるかもしれないという中で、自分なりの答えを見つけていかなくてはいけません。
レポートを書くにしても、例えば数値計算だけでなく、自分の身の回りの都市交通にどんな問題があるかを探して、それに対してどういうアプローチをしたらいいのか、そのためには何が必要かというようなことを題材にしてもいいんです。普段の暮らしの中に研究するテーマを見つけてもらえると嬉しいかなと思います。
大学生活は勉強だけでなく遊びや人間関係、社会とのつながりなどたくさんのことを学ぶ貴重な時間です。大いに遊び、大いに勉強してほしいと思います。大学の学びの集大成となる卒業研究や卒業制作は、高校までの勉強と違い、答えのないものを探す旅です。みなさんの研究が、より良い未来を創るかもしれないし、だれかを救うかもしれない。大学での勉強や研究には、そんな喜びがあります。
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